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      2016.03.01

小型ソーラーパネルを利用した独立電源 | システムの構成のポイント

solar

ソーラを利用したシステムはここ最近ブームになっていて、多くのメーカから様々な商品が販売されています。

WWFにおいても、自然エネルギーを利用した、地球保護につてもたくさんの記事が書かれており、今後もさらに加速すると思われます。

そんな中、大きなメガソーラを開設し地球規模での取り組みは土地や設備も必要で莫大な費用がかかるものですので、一般の私たちの日常生活で簡単に取り組めるものではありませんが、小さな独立電源を利用したシステムなどは比較的簡単に実現することができるため、今、多くのシーンで使われるようになってきました。

私も、5年ほど前よりいくつかのシステムに取り組みましたのでそこで得た知識やポイントをご紹介したいと思います。
なお、ソーラーシステムの電気的な詳細まで知りたい場合には、ここをクリックしてください。かなり詳しい情報が記載されています。

独立電源システムの構成要素と動作概要

構成図

ソーラーシステムシステムの構成は上図のようになります。

パーツは、①ソーラーパネル ②LED照明などの出力機器 ③コントロールボックス で、③のコントロールボックス内には (a)充放電コントローラ (b)蓄電用バッテリーが入っています。

機能は2つだけで、
①お昼間の太陽光線をソーラーパネルで受光し、その電力を充放電コントローラーを通して最適にバッテリーに蓄えます。
②夜間もしくは日照の無いとき、バッテリーに蓄えられた電力により出力機器(LED照明)などを点灯させます。

このシステムを構成する各パーツについて簡単に説明こ書きます。
なお、下記の説明は、電気的な詳細ではなく、独立電源を作る場合に必要なポイントのみを記述いたします。

①.ソーラーパネル

独立電源で使用するソーラーパネルは、独立電源という性質上自立型基本としますので大きなソーラパネルはしません。
ポールお先端等へ取り付けられる場合が多く、大体は20Wの比較的小型のものから、大きくても100W程度ではないでしょうか?
40W程度の単結晶クラスで大体600mm角で5~7kgほどありますので、あまり大きいパネルは風の影響なども受けやすく、安全ではありません。
たとえば、80Wが必要だとしたら、80W一枚で構成するより、40W2枚で構成するほうが安全といえます。
電圧は、バッテリーの関係上12Vタイプを選択すると扱いやすいシステムを構成できます。

ソーラーパネルには単結晶から多結晶、その他、様々な種類がありますが、どのタイプが適切かということはとくに基準はありません。
なおソーラーパネルはどれを使うか?仕様を決定するのは、出力機器とバッテリーが決まってからとなります。
取り付けは方向は、太陽光をもっとも受け易い角度に向けます。
これは季節と地域によって変わりますが、おおよそ南の空45度の方向が基準となります。
詳細については、NEDOのページで取り付け地域から最適な角度と方向を導き出します。

これはボックスのタイトルです。
5~6年ほど前、独立電源の受注が始まった頃は、安くソーラーパネルを購入するため、中国から輸入していました。この頃は、単結晶タイプが主流で、多結晶は単結晶より弱冠高めでした。というのも、単結晶は、セル(電力を作り上げる接点シートのようはもの)を業者から購入し、必要なワット数を構成する枚数貼り付け、それに枠と表面のガラスを取り付ける作業だけでパネルを作り上げることができたため、中国の小さな工場が設備投資することなく簡単に人手で製造することができたからです。量産には向きませんが、簡単に製造が可能だったため、多くの小さな工場が立ち上がりました。反対に、多結晶はセルを使用しないため、実際には量産に向き、価格も抑えられるはずなのですが、設備投資が必要なため、格安で中国から仕入れるということがありませんでした。最近では、多くの業者が各地から仕入れて販売をしていますので簡単にネットで購入ができるようになりました。また価格差もあまりないため、500枚1000舞といった大量購入しない限りネットで単発買いするのが望ましいこともあります。

②.出力機器

独立電源で使用する出力機器の多くは12V駆動可能なLED照明機器です。
中には、AC100Vで動く機器を使いたいという要望をお聞きすることもありますが、その場合は、DC12VからAC100Vへのインバーター回路を別途用意する必要があります。
しかしこのシステムは屋外に設置されるケースが多いため、季節・気候の影響を受けやすく、水滴などによって電子機器であるインバータの故障を起こし易くなります。
また、コントロールボックス内にはバッテリーからのガスがたまることもあり、インバーターの接点の小さな火花等で爆発を起こす可能性もあるため、好ましくありません。
シンプルにするためには12Vで駆動できる機器を選択することが無難です。

③コントロールBOX

金属製もしくはプラスチック製の日東など市販の制御ボックスの中に、バッテリーと充放電コントローラを取り付けます。
この充放電コントローラにソーラーパネルと出力機器とバッテリーを接続し、充放電コントローラの制御によって、充電や店頭の制御をおこないます。

(a)充放電コントローラ

ソーラからの電気をバッテリーに蓄電する役目(充電)と、バッテリーからの電力を出力機器に送り込む(放電)の役目を担います。
バッテリーに蓄電する際に、単純に電気を与え続けてはバッテリーは壊れてしまいます。
バッテリーの現在の状態を監視しながら、最適な電圧と電流をコントロールし充電を行っていきます。
また、出力機器に電気を供給する際も、バッテリーの残容量がなくなるまで空っぽになるまで電気を与え続けるわけにはいきません。
バッテリーは限界最低電圧というものがあり、これを下回る放電は、バッテリーの寿命を縮めてしまいます。
そこで、バッテリーに対する最適な状態で充放電を行うマイコン式のコントローラを利用します。
多くのメーカから多くの種類で価格の異なるコントローラが販売されています。
基本は、使用するソーラーの電力と接続するバッテリーの電圧、出力機器の電力によって決めます。
また、タイマー機能をもたず、単純にソーラーからの電圧供給がなくなったら夜だと判断し出力機器に電源供給を行い、限界値もしくはソーラーからの電源供給(日の出)を判断して出力に電源供給を切るものから、それらのON/OFFのタイマーを設定できるものなどがあります。
また充放電方法には、PWM方式とMPPT方式があり、PWM方式のコントローラは安価ですが効率がMMPT方式に比べて落ちますが、これはシステムの予算と使用する地域などによって選択します。
比較的使い易かったコントローラメーカは参考までに、EPSOLAR社のものでした。
中国製品ですが品質もよく対応もしっかりしておりとても重宝しました。

PWM MPPT
価格 安い 高い
性能 単純方法で充電をするため能力に限界があり効率はよくない 最大限の効率にて充電するため効率はよい

(b)バッテリー

ソーラからの電力を蓄え出力機器に電力を供給するための役割を担います。
車に使用される液の入った鉛バッテリーを使用される場合もありますが、もし何かあったときに、液漏れを起こして爆発することも考えられますし、液の補充などもあり非常に面倒なため、多くは密封型のシールドバッテリーが使用されます。
シールドバッテリーは、液式バッテリに比べ割高ですが、輸送中の問題や液漏れの問題もないため、ソーラ式独立電源にはお勧めです。
最近ではゲル式バッテリーも使われるようになってきました。

システム構成とパーツを決定する順序

1.出力機器の仕様・使用を決める

独立電源のポイントは出力機器です。
出力機器が、このシステムの電源(バッテリーの容量)によって、連続何時間動作するかが、このシステムの肝となります。(使用)
そのために、出力機器の消費電力など電気的な部分を把握しなければいけません。
12Vの電源で動作するため、電圧は12Vとしたとき、使用機器の電力(W)を電圧12Vで割れば、消費電流が求められます。
この消費電流によって、この機器を連続使用する時間とで、バッテリーが決定します。

バッテリーの決定

バッテリーは●●AHという単位があります。
これは、1Aの電流を使ったとき、●●時間使用できますよ!という単位です。

たとえば、12Vで動作する12WのLED照明があったとします。
この場合 12W÷12V=1A という電流が求められます。

この照明を連続で12時間使用したいときは、単純に12AHのバッテリが考えられるのですが、実はバッテリは全ての電気を使うわけにはいきません。
真ん中に挟んだ充放電コントローラもバッテリを全部使わないように、バッテリの限界電圧値を持っています。
つまり、バッテリーがその電圧まで来たとき、充放電コントローラはバッテリーからの電力供給を強制的にとめてしまします。

コントローラの種類によりますが、多くは10V~11.2Vくらいに設定しているようです。
ええええ、12Vのバッテリーがたったの1~2Vの使用で止めてしまうの?という声もあるかとは思われますが、実は12Vバッテリーはフル充電でおおよそ14.8V程度は持っていますのでご安心ください。

それにしても、この程度ですので、バッテリーには余裕をもつことが大事です。
どのくらい?という目安はあまりありませんが、経験上、だいたい、最低でも2倍….多ければ3~4倍あれば結構それなりに動いてくれます。

ですので先ほどの照明1Aを日没から日の出前までずっと点灯させたいとなると、その地域の日没~日の出の最大の時間を調査し、それを最大時間として求めます。

ただし、もうひとつ考慮しなければいけないのは、これはバッテリーがフルである想定です。
天候も考慮しなくてはいけません。

つまり、雨や曇りの日が続くと太陽が照りませんので、当然バッテリー充電が行われないことになります。
その場合は、バッテリーは充電がないまま使いまくられる状態になりますので、どんどん連続動作時間が減ります。
この日照時間や日没~日の出については NEDOのホームページで入手できます。

3.ソーラパネルの決定

ソーラーパネルはバッテリーの容量によって選択をします。
バッテリへの充電は、バッテリの寿命から、バッテリーの容量の1/10の電流によって充電することが望ましいとされています。
つまり、12AHのバッテリーを使用する場合、1.2Aの電流によって10時間かけて充電するということになります。
しかし、ここで考えなければいけないのは、10時間も太陽が照っているか?という問題です。
日本の平均日照時間を3~5時間とすると、とてもではないですが10時間かけて充電することができません。
よって、この場合、バッテリの寿命をおいておいて、使用する地域の日照時間と、使用するバッテリの容量で、ちゃんと充電できるソーラを選択します。

ソーラパネルの単位も電力(W)で示されますから、Wを電圧で割れば電流が得られます。

たとえば40Wのパネルだと 40W÷12V=3.33Aの電流地が得られます。

これで12AHのバッテリを充電すると、12AH÷3.33A=約4時間で充電が完了できる計算となります。
しかし、日照時間等の問題もありますから、ここもある程度余裕をとるほうがいと考えられます。

4.充放電コントローラ

これは先にも書きましたが、PWMとMPPTという2種類があります。
システムの値段によってどちらかを選択することとなりますが、厳密な死して無でなければPWMでも十分です。
ただ、もし少しでもシステムの予算がとれるのであれば、MPPTをお勧めします。

最後に

独立電源システムは簡単に構成できるものです。
地球温暖化が騒がれ、地球もおおきな悲鳴を上げ始めています。
部品も簡単にインターネットで入手できるため、庭や玄関の電気など、みなさんも小さなところから温暖化対策にとりくんでみてはいかがでしょうか?

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