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機械設計者 知っておきたい技術 | 板金加工

板金加工

板金加工編

部品を設計する段階においてどのような材料を用いるかは、最終的に求められる装置の仕様やコストに大きく影響します。今回は使用する材料の中でも比較的使われる頻度の多い鋼板(薄板)の板金加工について紹介します。

板金加工

板金加工とは一般的に鋼板材料を「切断(シャーリング)」「穴あけ(パンチ)」「折り曲げ(ベンド)」などの加工方法により、目的の形状に加工することです。同じ薄板加工でも金型を用いて形状を加工する「プレス加工」もあります。板金加工では材料を打ち抜く「タレパン(ターレットパンチ)」や材料を折り曲げる「ベンダー」などの汎用を用います。

板金の材料と板厚

板金に用いられる材料の板厚は、規格で決まっており、一般的には3mm程度のものが標準的です。板金部品を設計するときはその規格値の中から板厚を選択して使うことになります。

板厚規格

板金部品の設計と加工工程

 

板金部品を設計するときの注意点

板金部品を設計する上では以下の項目に注意が必要です。
①平面に展開できない形状にしない。
②ヤゲン(曲げ専用の金型)が曲げ部と干渉しないようにする。
A寸法は15mm以上確保する。
やげん
③最小曲げ寸法を守る。
B寸法は3tを以上を確保する。これ以下の寸法は基本的に加工できない。どうしても必要なときは5t以上に加工してから切断する工程が増えてします。
最小曲げ寸法
④穴位置と曲げ元の最小寸法を守る。
C寸法は1.25t以上を確保する。この寸法以下にすると穴が変形する。
穴位置
⑤曲げ部のふくらみを考慮する。
曲げの根元は外側に膨らむので他部品と嵌合させるときは、曲げの根元にニゲを設ける。

曲げふくらみ

⑥タップ加工は板厚に注意する。
タップ加工をするときは、ねじ山を3P(P=ねじピッチ)以上確保する。確保できない場合はバーリング加工を図示する。ただし、M5以上のタップ加工は避ける。M5以上は溶接ナットを使用する。

加工工程

板金部品は以下の工程で製作されます。

①客先からの図面を展開する。
客先の図面に書かれた部品の形状を一枚の板状の平面に展開します。
②展開図に従い切断
展開図に従い外形を切断していきます。必要に応じて穴加工も行います。
③曲げ加工
客先の図面の形状になるように曲げ加工をします。
④溶接
曲げ加工ができないところ、または別部品を取り付ける指示がある場合は個々に部品を製作して溶接加工します。(基本的にはあまり推奨されません。)
⑤仕上げ
めっきや塗装と言った外観の要求事項を施します。

まとめ

今回は薄板板金加工について説明してきました。この薄板板金はプレス加工と違い専用の金型を必要としません。折り曲げの形状を工夫することで厚板溶接構造の部品に匹敵する強度も確保できますから、この加工技術を知っておくことは機械設計者にとって必須です。

 

 

 

 

 - 加工技術, 設計全般